酢酸エチルの合成時に、なぜ飽和食塩水を使うのか?

酢酸エチルの合成

試験管に酢酸(5.0ml)とエタノール(5.0ml)を混ぜ、触媒として濃硫酸(1ml)を加えて約76℃で10分間加熱すると、エステル化が進行し酢酸エチルが合成される。

CH3COOH + C2H5OH → CH3COOC2H5 + H2O

酢酸エチルの純度を上げる

上記の反応で酢酸エチルが合成されるが、その酢酸エチルには未反応の物質(酢酸、エタノール、硫酸等)が混ざっているため純度は低い。

そのため試験官に水を加えて有機層(酢酸エチル層)と水層に分離し、激しく振ることによって有機層から水層に未反応物質を移動させ、酢酸エチルの純度を上げる必要がある。

しかし実験においては、水ではなく飽和食塩水(10ml程度)を用いた方が適当である。この理由は何か?

飽和食塩水を使う理由

それは、3つある。

  1. 水層の比重を大きくすることで、有機層と水層が分離しやすくなる(有機層と水層の分離速度が大きくなる)。
  2. 水層を食塩で飽和することによって、(水和の強弱によって)酢酸エチルの水層への溶解を防ぎ、収集量が上がる(酢酸エチルはケトン基を有し極性を持つため、若干水への溶解度がある)。
  3. 水層を食塩で飽和することによって、有機層に混ざりこんでいる水を水層に引っ張ってこれる。

つまり、酢酸エチルの合成時に飽和食塩水を使う理由は、酢酸エチルの純度・収集量を上げるためである。