活性化状態
化学反応において、原子同士の結合が変わるとき、反応物がエネルギーの高い不安定な中間状態になる。この状態を活性化状態とよぶ。
活性化エネルギー
そして、このような活性化状態になるために必要な最低限のエネルギーを活性化エネルギーという。
水素H2とヨウ素I2が反応して、ヨウ化水素HIができる反応
H2+I2 → 2HI
では、H2とI2が衝突しても、すべての分子が反応するわけではない。
反応が起こるためには、H2とI2が、結合の組み換えに都合よく、活性化エネルギー以上のエネルギーを得る衝突をして、活性化状態になる必要がある。
一般に、活性化エネルギーの小さい反応ほど、反応速度は大きい。
反応速度と温度
一般に、他の条件が一定ならば、温度が高くなると反応速度は急速に大きくなる。これは、粒子の熱運動が活発になり、大きなエネルギーを持つ粒子の割合が増加し、粒子が衝突して活性化状態になりやすくなるためである。
触媒のはたらき
触媒を用いると、反応の経路が変わり、新たな活性化状態を経由して反応が進む。この経路では、触媒がない場合に比べ、活性化エネルギーは小さくなる。このため、触媒を用いると反応速度が大きくなる。
ただし、反応物や生成物は変わらないため、反応熱は触媒の有無に関係しない。