蜂に刺されたとき、傷口におしっこをかける?

幼少のころ、蜂に刺されて父に泣きついたとき「傷口におしっこをかければ大丈夫」と言われた記憶がある。これをお読みの方もそういった経験があるかもしれない。しかしこれは全く意味のない行為であった。

痛みの原因はギ酸?

蜂や蟻の毒腺中にはギ酸が含まれており、ギ酸は皮膚につくと激しい痛みがある。そのため蜂に刺されたときの痛みはこのギ酸が原因だと考えられていた。

アンモニアによるギ酸の中和

ギ酸にアンモニア水を加えれば、以下のように中和反応が起き、ギ酸を痛みのない別の物質(ギ酸アンモニウム)に変化させることができる。

HCOOH + NH3 → HCOONH4

そのため蜂に刺された傷口に『アンモニアを含むおしっこ』をかければ痛みの原因だと考えられているギ酸を別の物質に変化させることができる。

こういったことから「蜂に刺されたらおしっこをかける」という昔ながらの知恵が生まれたと考えられる。

2つの間違い

蜂に刺されたらおしっこをかける・・・これには2つの間違いがある。

まず一つは、おしっこ(尿)にはアンモニアは含まれていない。体内に生じたアンモニアは、肝臓において尿素に変えられる。そして尿素は腎臓でこしとられ尿として排出される。そのため蜂に刺された傷口におしっこをかけても中和反応など起きない。なお、おしっこを長時間放置しておけば、尿素がアンモニアに変化する。これがトイレの臭いにおいの原因である。

また、蜂刺されの痛みの原因はギ酸だと考えられていたが、痛みの原因は蜂に含まれているたんぱく質が原因である。なので、そもそもギ酸とか中和とかの話ではなくなる。

以上より、蜂に刺された傷口におしっこをかけることには全く意味がないことがわかる。

蜂に刺されたらどうすればいいの?

では、蜂に刺されたときにはどうすればよいのか?それは、傷口を水で冷やし、毒を搾り出すようにもめばよい。なお、ステロイド軟膏(ドルマイコーチ軟膏など)を塗るのも良い方法である。痛みの症状がひどい場合は、病院へいかなければならない。