COD(化学的酸素要求量)

近年、工業排水とともに、生活排水の流入による河川、湖沼の汚染が問題となっているが、水の汚染度の指標となる測定項目には、BOD(生物化学的酸素要求量)とCOD(化学的酸素要求量)などがある。ここではCODについて説明する。

CODは、試料水を強力な酸化剤を用いて処理したときに消費される酸化剤の量を、それに相当する酸素の質量(mg/L)に換算した値で示す。試料水中で酸化可能な物質(被酸化性物質)には、有機物のほか、酸化されやすい無機物(NO2、Fe2+、S2、硫化物など)を含むのでCODはBODよりも大きな値をとることが多い。しかし、特殊な水を除けば、CODは水中の有機物の量を表す目安と考えてよく、通常、その酸化剤にはKMnO4、K2Cr2O7を用いる。

酸化剤としてKMnO4を使用する場合

KMnO4は、色の変化が明瞭で、終点を見つけやすいが、有機物に対する酸化率は必ずしも高いとはいえない。また、試料水中にClが含まれている場合、ClはにKMnO4により酸化されるので、KMnO4の消費量が大きくなり、測定誤差となる。

そこで、あらかじめ試料水にAgNO3水溶液を加えて、ClをAgClとして除去しておく前処理が必要となる。

酸化剤としてK2Cr2O7を使用する場合

一方、K2Cr2O7は、色の変化がそれほど明瞭ではなく、終点をやや見つけにくいが、触媒としてAgSO4やHgSO4を加えておくと、有機物に対する酸化率はKMnO4に比べて高い。

また、試料水中にClが含まれていても、Cl-はCr2O72-とは反応しないので、前処理をしなくても直接CODが求められる。しかし、廃液の処理には注意を要する。

CODの実験

JIS(日本工業規格)水質試験法では、試料水にKMnO4(酸化剤)水溶液を過剰に加え、硫酸を加えて酸性とした後、沸騰水中で30分間加熱する。残ったKMnO4に一定過剰量のシュウ酸ナトリウム(還元剤)水溶液を加えて還元して脱色し、さらにKMnO4水溶液を加えて逆滴定する。

逆滴定を行う理由

KMnO4をNa2C2O4で滴定すると、終点(赤紫色→無色)が見つけにくく、過剰のMnO4とMn2+が反応してMnO2が生じる副反応が起こり、滴定誤差を生じる恐れがある。

CODの実験方法

  1. コニカルビーカーに試料水50mLをとり、これに6.0mol/L硫酸5mLを加えた後、ホールピペットで2.0×10-3mol/L KMnO4水溶液10mLを加える。
  2. 沸騰石を加え弱火で30分間煮沸する。
  3. 熱い間に、ホールピペットで5.0×10-3mol/Lシュウ酸ナトリウム水溶液10mLを加える。
  4. ビュレットから2.0×10-3mol/L KMnO4水溶液を滴下すると、終点(水溶液が淡赤紫色)までに2.5mLを要した。

計算

MnO4- + 5e- +8H+ → Mn2+ + 4H2O

C2O42- → 2CO2 + 2e-

O2 + 2H2O + 4e- → 4OH-・・・③

上図より、被酸化性物質の放出したe-の物質量をX(mol)とおくと、

2.0×10-3×(10 + 2.5)/1000×5 = 5.0×10-3×10/1000×2 + X

X = 2.5×10-5(mol)

③式より、O2の物質量は2.5×10-5/4(mol)で、O2 = 32より、その質量(mg)は

2.5×10-5/4×32×103 = 0.20(mg)

試料水の量を1Lに換算して、0.20×20 = 4.0(mg)