触媒の種類と働き方

触媒の種類

正触媒

反応速度を大きくする触媒。ふつう単に触媒といえば、正触媒をさす。

負触媒

反応速度を小さくする触媒。例えば、過酸化水素水の分解を抑えるために加えるリン酸やアルコールなど。

※過酸化水素の分解反応は、溶液が塩基性の場合や、溶液中に存在するFe3+、Mn2+、Cu2+などで促進されるが、リン酸は溶液を酸性に保ち、金属イオンの触媒作用を遮蔽するので、結果的にH2O2の分解が抑えられる。

触媒毒

ある物質が存在すると、触媒作用が著しく低下する場合、この物質を触媒毒といい、NH3の合成で使用する鉄触媒に対するCOなどがその例である。

自触媒作用

反応生成物が触媒作用を示すことを自触媒作用という。銅に希硝酸を加えると、最初は反応が遅いが、やがてNOが生成して反応が早くなる。これは、NOの自触媒作用の例である。

触媒の働き方

触媒の働き方は、均一触媒と不均一触媒の2つに分類される。

均一触媒

過酸化水素水に加えたFeCl3水溶液の場合のように、反応物と均一に混じり合った同一の相で働く触媒を均一触媒という。Fe3+だけでなく、H+やOHなどの酸・塩基がよく使われる。

均一触媒の場合、触媒と反応物が結合して、不安定な反応中間体(活性錯体)をつくる。この中間体が自ら分解したり、ほかの分子と衝突したりして、安定な生成物に変化するとともに、触媒が再生される。この過程の繰り返しにより反応が進んでいく。

反応物 + 触媒 → [反応中間体] → 生成物 + 触媒

不均一触媒

均一触媒に対して、H2O2の分解反応におけるMnO2や、H2 + I2 → 2HI の反応における白金Ptのように、反応物とは均一に混じり合わない異なる相で働く触媒を不均一触媒という。気体や溶液中に加えた固体触媒がすべてこれに該当する。

不均一触媒を用いた反応は、触媒表面で反応が起こるので、その働きは接触作用ともよばれる。すなわち、

  1. 触媒表面(活性点)への反応物質の吸着
  2. 触媒表面上での吸着分子(原子)どうしの表面反応
  3. 生成物質の触媒からの脱離

という過程の繰り返しにより反応が進んでいく。